歯科医院開業 物件の選び方

歯科医院開業の良い立地、テナントとは?

歯科医院開業の立地を決める時「いい立地で開業したい!」と思うのが人の常ですが、その良い立地の条件とは果たしてどのようなモノでしょうか?
今回は良い立地の判定要素と生活動線の読み取り方について理論を解説します。まずは来院されるであろう患者さんの日常行動線を読み取ろう!

日常行動線とは?

人々が日常的に利用するような、生活に密接に関わりのある道路や交差点、施設が存在します。これらを結ぶ動線を日常行動線といいます。

○日常行動線を読み取るためのポイント(TG、PC、CP)

ポイントとしてTG、PC、CPがあります。

【TG(Traffic Generator)交通発生源】
日常の行動の中で人は何らかの交通手段を用いており、それらを結ぶ核となる場所が必ず存在します。電車を使う場合は駅、車や徒歩なら交差点がそれにあたります。人々が集中的に出会い交差する場所で、あたかも、この場所から交通が発生しているように見えることからこのような場所をTG(交通発生源)といいます。

TGの例:駅(特に入口) / 大きな交差点 / バス停 / 自転車置き場 / 大規模駐車場

【PC(Potential Cluster)需要集合体】
人々が密集して住居を構えていたり、就業者がとりわけ集まり一定の時間停留する施設であったりと、大きな需要が埋まれる場所や地域のことをいいます。たとえば、高層住宅群(マンションなど)、高層商業ビル、大規模ショッピングセンター、公共施設(役所・郵便局・図書館・学校など)、戸建住宅群などが該当します。人がたくさん集まる場所なので、歯科医院の診療圏を考える時に特に重要な場所となります。

PCの例:高層住宅群(マンション) / 高層商業ビル / 大規模ショッピングセンター / 公共施設(役所・郵便局・図書館・学校など) / 戸建住宅群

【CP(Consumers’ Point)消費者起点】
歯科の診療圏の中には、年齢・性別・趣味嗜好ごとに、人が日常的に立ち寄る場所があり、このような場所をCP(消費者起点)といいます。食料品や日用品を購入するスーパーやホームセンター、ドラッグストア、コンビニ、頻繁に利用するファミリーレストランやファーストフード店などもこれに分類されます。

CPの例:スーパー / コンビニ / ショッピングセンター / ファミレス / テイクアウトショップ / ホームセンター

○日常行動線を推測しよう!

ある社会人の1日の行動を考えてみましょう。

自宅(PC)→地元の駅(TG)→目的地の駅(TG)→行きつけのコンビニ(CP)→会社(PC)→昼:ハンバーガー屋(CP)で食事→会社(PC)に戻る→退社後、駅へ(TG)→地元の駅(TG)→帰宅(PC)

職業や年齢により違いはありますが、オフィスワークの方だと大体このような感じになるでしょう。主婦や学生、歯科医院へも大きく影響が予測されるアクティブシニア層などの日常行動を考えると、買い物スポットや飲食店などさらに別のポイントが当てはまります。

地図上で考えてみよう!

先ほど推測した日常行動線を地図に書き出してみましょう。歯科医院開業希望地の診療圏の様子はどうなっているでしょうか?もうお分かりかと思いますが、TG・PC・CPの動線上にあるほど人が流れ込みやすく、集患力の強い場所であることがわかります。
もちろん、そこで暮らす世帯層や昼夜の人口帯、最寄り駅の情工数によっても見方が変わるので、地域の特性についてもよく考えましょう。

患者さんの生活動線を考える時の注意

○患者さんが近いというのは距離ではなく時間
患者さんに歯科に来院する理由を聞いてみると、「家から近いので」「評判を聞いて」といった話を伺います。患者さんがいう近さとは、単なる距離のことだけをいうのではありません。

たとえば、単調なまっすぐな道と、間に横断歩道や踏切(待ち時間が発生するポイント)を挟む道とでは、距離が同じであってもまっすぐな道の方が早く目的地に到着できるでしょう。このように見ると、目的地(医院)へのアクセスのしやすさを決めるのは距離ではなく時間軸であることがわかります。

○道を選ぶ時の心理要因と行動心理
裏道を使ってでも目的地へ最短距離で行こうとする最短距離の法則、なるべく知っている道を通り確実に目的地へ向かおうとする確実性の法則、横断歩道の無い大きな車道を避けるなど危険な場所を避けようとする安全性の原則、混んでいる病院にはさらに人が集まるといった集合性の法則。人が目的地に向かおうとする時には、このような心理が働きます。このような観点からも、立地を考えていきましょう。

○診療圏分断の例
診療圏内に川や大きな丘陵、二車線以上の道路、線路などがあり、人がそこを物理的に横断できない状況を診断圏分断といいます。人の行き来が分断される場所なので、その範囲は診断圏からはずす必要があります。

CONTACTお問い合わせ

ご質問やご相談を承ります。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください!